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2014年10月12日 (日)

ジーザス観賞周辺 ~戦場のピアニスト

最後に、連休最後に観た四季のジーザスについても
一言置いていきます。
以前観た海外アリーナ版映画に吹っ飛ばされて以来の
舞台観賞でしたので
・・・こんなに静かだったっけ?・・・としばらく違う意味で固まりました。
待望の芝ユダでしたので、
かつてはもっとシャウト系じゃなかったかなあと
思ったのが大きかったのですが、
(最後にソウルガールとガンガンに歌い踊るところで
何となく安心しました(^^;))
これが日本のジーザスかもしれない、とも思いました。
静でもって動を際立たせるといいますか。
お初にお目にかかった新ジーザス神永さんは
伸びやかな声で
マリアの観月さんもキレイな声でした。
今後さらに深みを増していかれることを期待します。
圧巻は、何といっても下村ヘロデ王!でした。
出た瞬間から姿が消える時までもうくぎ付けにされました。
妖艶というか、
もうほかに目をやることなどとてもできない圧倒的な存在感。
息をするのも忘れそうで、
なんだなんだこれはと心中一人うろたえ、
平然としている(ように見える)周囲の観客の皆さんが信じられず。
この方のシーンを見られただけでも、
来て良かったと思いました。
いや、本当に。

その連休からかなり経ったあとのことですが、
TVで偶然見た映画に打ちのめされましたので、
こちらに一緒に置かせていただきます。
今の時期にユダヤのお話のお芝居をするのは、というような声を
巷で見かけたのですが、
こちらの映画を観て
根っこは同じことなのだ、と思いました。
民族が何なのか、ではなく、
人権を踏みにじる側が問題なのだと。
観たのは戦場のピアニスト。
評判が高いのは存じていましたが、これまで未見でした。
夜にBSでうっかり観はじめてしまい、
TVの前から離れられなりました。
全ての人が観るべき映画と断言します。
こんなに感性の鈍った私でさえ、これだけのインパクトを受けるのですから。
(どうしようもなく「いまさら」ですが(_ _ ;)。)
以下、印象の走り書きです(なので文体に愛想がありません。すみません)
下村さんといい、この映画といい、
心臓を掴まれてくぎ付けにされるくらいのものに
出会えたのは嬉しいのですが、
とても人事と考えることができなくなってしまった「今」が残念です(TT)。

どうしようもなく重いのに、見ていてつらいのに、
それがこんなに淡々と語られているのに、
惹きつけられて離れられない。
徹底的に陰惨なのになぜこれほど美しいのか。
流れる音楽をここまで
痛切きわまりなく感じてしまうのはなぜなのか。
感動に打ち震える感覚に似ているのに、
それとはある意味正反対の感覚。
涙は確かににじんでくるのだが、号泣に至らなかった。
泣くことすら軽すぎる、簡単すぎる様な気がした。
ただ悲しいからと泣くことすらおこがましいように思えた。
まあTVだったというのもあるかもしれない。
劇場ならこんなものでは済まないだろう、多分。

つらすぎる画面の連続が他人事とは到底思えなかった。
自分と自分の家族から少しずつ、確実に、人権がはく奪されていく。
全てをはぎとられて最後は命まで。
あえて列車に乗せられたあとが描かれないのがかえって堪えた。
その後になにが起こるのかはわかっているし、
それよりも普通の日常からじわじわと引き離され、
たいしたことにはならないだろうと
羊のように礼儀正しく従っているうちに
全てを奪われる過程にぞっとして
目を離すことができなくなった。
しかもこれは全て現実にあったこと。事実なのだ。
それもつい数十年前のことに過ぎない。
ナチスの手口、などと言っている誰かはこれを見ただろうか。
その彼らを支持している誰かは。
これを見て(知って)なお
レイシスト(ファシスト)を容認するならば、
万死に値するという言葉がこれほどふさわしい相手はない。
人は国家に踊らされてはならない。
羊になってはならない。
国家権力におもねて他人の人権をほしいままに踏みにじってはならない。
最後に登場したトーマス・クレッチマン氏(役名でなくてすみません)の行く末は
切なかったけれど、
彼は軍人であったから。
どちらの側に立っても、ヒューマニストは踏みにじられてしまうのだと
不思議にすとんと腑に落ちてしまった。
(ここで激烈に反応しなくなったあたりが年をとったのだなと自分で思う。)
そのくらい、ここまでの事態に至ってしまえば、
もはやどちら側であれ救いなどないのだ。
絶対に、絶対に戦争をしてはならない。
人権を踏みにじり、お互いを憎み合い、命を奪い合ってはならない。
なぜなら、戦争をしたがるのは必ず
その被害に遭わない層の人間たちであり、
彼らにのみ大きな利益をもたらすゆえに戦争は起こされ、
その他の大多数の人にはただ苦しみと死がもたらされるだけだからだ。
欧米でネオナチなどのレイシストが
忌み嫌われているわけが本当によくわかった。
素晴らしい映画だった。

「その時代」に生きていた人が亡くなっていくのは
思っていたよりも速いのだと思うようになったこの頃。
歴史を捻じ曲げ、改ざんし、
事実を偽って喧伝する輩が横行している現実を
放置してはいけないのだと沢山の人に気づいてほしいと思う。
気づかせる立場にあるはずの方々の決起も是非。
つくづく日本はドイツのように
原因究明も再発防止もされなかったのだなあと
いまさらにして(以下略)。

実はショパンはあまり得意ではないのですが、
劇中の演奏が本当に素晴らしかったので、
サントラを探してぽちっとしてしまいました。
一緒にベートーベンの月光も。
クラシック好きの割には手元にCDがあまりないので。
(演奏家にも詳しくありません;;。
結局おなじみのルービンシュタインにしてしまいました(^^;)あ、トシが・・・。)

しばらく離れていましたが、
この秋はぼちぼちクラシックを聴きたいなあと思います。

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