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2013年8月 4日 (日)

文庫化バンザイ。

ここしばらく強烈な目疲れが続く日々で、
PCは無理でも何か見ないと収まらない・・・ということで
何年振りかで本屋さん通いが再燃しております。

不勉強を解消しようと憲法系の本にも手を出しつつ、
(ちくま文庫の『憲法が変わっても戦争にならない?』は良かったです。
2006年に出た本に加筆したものだそうですが、
明解に今の情勢を看破しているところがオソロシイ。さすがはちくま。)
上橋さんの『流れ行く者』に続いて畠中さんの『若様組まいる』も文庫化に。
これは嬉しかったです(^^)。
いつも思うことですが、畠中さんのお話は面白いのですが、
どこか哀惜、といいますか、ノスタルジーというのでしょうか、
ある種の哀しさを感じてしまいます。
情緒という点では申し分ないと言えそうですが。
アクションやコメディの要素ががっつり入ってこれは凄いと思います。

もうひとつ、文庫コーナーで
どこでも山積みになっている『永遠の0』を遅まきながら、
やっと手に取りました。
映画が年末に公開されると聞いたので買ってみたのですが、
読み始めてみたところ、さすがの筆力で、
なんというか思いもかけない展開で
どんどん引き込まれて止まらなくなり一気に読み進んだところで、
道半ば?で本を閉じざるを得なくなりました。
外出先で買い求めてそのまま読んでいたのですが、
涙腺が壊れかけること数回、もう無理です~、という事態に至ったせいでした。
いや、自分で驚きました。
確かに私の涙腺は緩いですが、これはあんまりです(TT)。
実際に、当時そこにいた人たちがこの本を読んでどう感じるか
私には到底わかりませんが、
フィクションではありますが真実が書かれているならば、
これは大変な本だ、と思いました。
日中戦争の勃発から太平洋戦争の敗戦まで、
なかば強制的に(経済的な理由ほか、末期には強制)関わらされた兵士たちの
人生の真実が血をめぐらせ色を帯びて
世間で耳にするステレオタイプの空虚な言葉などとは程遠いものとして
ひとつひとつが迫ってくる思いでした。
当時の日本人はおそらく今の私たちよりはずっと精神的にも強く、
誠実で人にも優しかったのではないかと思えました。
(人間関係が濃かった分、それは間違いないように思います。)
また、特攻という言葉から受ける印象が
少々オーバーながら大きく変わったように思いました。
(作戦が極めて愚かなものであったという印象は変わりません。
変わったのは、学生さんたちがいかに苦しんでいたであろうか、という点です。
彼らは人として優れていたと思いますが、
洗脳されたなどということでは決してなく、
そちら側に立たなければ決して理解できない苦しみの淵に立たされた、
現代の私たちと同じ普通の人間であったということを。)
なによりも、当時の上層部が
国民(当時は臣民と呼ばれていましたが)を虫けらのように使い捨て、
無謀な作戦を取って失敗しようと
臆病風に吹かれて兵士の多くを死なせてしまっても
責任を取ることなく、
特攻の若者たちに自分も後で行くからとどんどん死を強制しておきながら
実際に腹を切ることもなくのうのうと生き延びていたこと、
それは戦争中のみならず、
ずっと現在に至るまで変わらずにきているわけで、
(都合のいいところで「英霊」を利用されているのではと)
自分のいいように振る舞い、この国を侵食し続けていることに怒りを覚えました。

戦前の日本を取り戻したいならば、
なによりも己がしでかしたことに対する責任をとるところから
はじめていただきたいものだと思いました。
そこからはじめてやっと日本は出発できたのではなかったか、と
私には思えてなりません。
この国の誇るべきは国民(で、政府では決してないの)だと、
先の大地震で感じたことを改めて感じた次第でした。

我が家は本が溢れかえっている方ですが、
私が子供の頃にはあまり本がなく、
もっぱら図書館にお世話になっていたのですが、
『大空のサムライ』は本棚に収まっておりました。
私の父は経済的理由(それにおそらく地域の圧力)から予科練に入った口で、
年齢的に順番が来る前に飛ぶ飛行機がなくなり、
終戦を迎えた一人でした。
お陰で原爆投下時には遠く離れた地にいたのですが、
散々空襲には遭っているし、
原爆投下後まもなく帰宅しているはずなので
実質的に入市被曝もしているはずです。
運がいいのかなんだかわからない人ですが、
思えば私が今、ここにいるのもそのお陰です。
いつか機会を作って、感想を聞いてみたい気がします。


【追記】
先日のことですが、
宮崎監督が上記の映画化について酷評したと聞き、
http://biz-journal.jp/2013/09/post_2979.html
「0」作者ご本人の発言を調べてみたところ
・・・なんだか思い切り騙されたような気持ちになりました。
そのあとにNHK経営委員の某○相お友達人事の話題を見て
さらに吐き気が。
TVでの発言も軽い方だなあと思ってはいましたが(以下自粛)。
小説そのものの価値は変わらないかもしれないけれど、
心の底の思いからではなく
ストーリーテラーのテクニックで読まされたのかと
己が情けなくなってしまいました。
(もちろん、このあたりの判断は各自で違うと思います。)
なので、私は映画は観ません。
図書館戦争の岡田くんがとても良かったので残念ですが・・・。
現実に源田隊長のような人がいればなあと
詮無いことを思います。

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