« お休み最終日。 | トップページ | お世話になってはいるけれど。 »

2013年1月 6日 (日)

声をかくす人

思いがけず時間が出来たので、
こちらでは本日上映が始まった
『声をかくす人』を観てまいりました。
ここしばらく3時間超大作ものにはまり中につき
世界に入り込めるかどうか不安でしたが、
直球勝負のドラマに難なくはまりこむことができました。
(なお、ネタばれの配慮はしておりませんm(_ _)m。)

南部の若者たちによるリンカーン暗殺の
共謀の嫌疑をかけられた下宿屋の女性を
マカヴォイさん演じる元米北部兵士である弁護士が
弁護するようにと突然告げられ、
最初は何故こんな(北部の敵の)女性を
自分が弁護しなければならないのか!と
彼に仕事を振ってきた
護憲派(?)の元司法長官の議員に申し述べていたところ、
彼女の有罪を立証できたら降りていいと言われ、
事件の真相に深く関わっていくうちに
彼自身が法(=市民)の守り手として目覚め、
法廷での闘いに身を投じて行く・・・
という括りをするのは少々的が外れているかもとは思うのですが、
彼の目線でどんどんはまっていってしまいました(単純ですみません;;)
あっという間に時間が過ぎてしまいました。
どの役者さんも良かったし、
殊にマカヴォイさんと、
メアリー・サラットを演じたロビン・ライトの
目力が凄いなあと思いました。
強くて、まっすぐで、目の表情だけで情感が伝わるようでした。
最初のところで陸軍長官(かな?)とやりあう議員のやりとりは
聴いていて胸がすっとするような迫力のものでしたが、
「裁判」が終わって
(「」で括ったのは、あれは裁判などではなくただの形式でしかなかったからです。
そもそも民間人を軍事裁判にかけるなどどれだけ野蛮か)、
マカヴォイさんに君の母親じゃない、とあっさり言うところは
彼のことを思いやってのことかなと思いましたが、
オイとつっこみかけました(つい)。
個人のために国が傾いては意味がないと言い切る陸軍長官でしたが、
個人を守れなくて国の存在意味があるんだろうかと思いつつ
(しかしこの考え方はおそらく現在も生きているのでしょう)、
国のためにこの方はご自分の天国行きなど
当然諦めているのだろうなと(ちょっと毒;;)。
彼女の犠牲のお陰で
その後の市民の裁判はより公正に行われるようになったそうですが、
逮捕された彼女の息子が弁護士に言った台詞に泣かされました。
最後の最後まで誠心誠意奔走した弁護士氏が
この先どうなるのか心配でしたが、
弁護士を辞めて
「ワシントン・ポスト」初代社会部部長を務めたということで
なんだか安心いたしました。
そして、本当に実話なんだなあとも。
しかし、リンカーン本人がこれを望むだろうかと、
多分誰も考えもしなかったのかなあ・・・、そうなんだろうなあ(TT)。
(基本的人権ってなんでしたっけ?)
この理屈が通れば、
世の中の母親は皆死ななければならないでしょう、
という怒りはなかなか収まりませんでしたが、
不思議と観終わったあとは透明感が残りました。
ほぼマカヴォイさん目当てで観に行きましたが、
観て良かったなあと思える映画でした。
細部まで丁寧に作りこまれた感があり、
何一つ声高に語ることがないのに
静かにメッセージが伝わってくる佳作です。
ダニエルさんのリンカーンも公開になったら観に行くつもりですが、
先にこの作品を観てよかったかもしれません。

|

« お休み最終日。 | トップページ | お世話になってはいるけれど。 »

映画感想」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« お休み最終日。 | トップページ | お世話になってはいるけれど。 »