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2009年5月24日 (日)

久々に読書。

気分転換に出歩いたついでに
久し振りに文庫などを買いました。
本屋さんに寄るのもかなり久し振りだったのですが、
今の状態になる前でもここ数年は
手に取る本は映画や料理関係のものがほとんどでした。
日本語力が落ちているのもそのせいかと
なんとなく納得してみたりしまして・・・。
(↑そういう問題ではないのではないかと;;。)

で、手に取ったのがこの2冊でした。
選ぶのにほんの数分しかなかったので、ほぼ直感のみで。

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫) Book 打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)

著者:米原 万里
販売元:文藝春秋
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ロシア語通訳にして作家、大の読書家の米原さんについて
特に解説は不要かと思います。
とにかくこの人は本が好きなんだなとつくづく思いますし、
彼女の視点の鋭さ、歯に衣着せぬ痛烈さを早くに失ったことは
日本社会の損失だとさえ思います。
10年分の全書評が集録されているということで
買って絶対に損はないと思ったことが一つ、
また「私の読書日記」に
ご本人のがん闘病記が収録されていたのを見て
つい手に取ってしまいました。
何しろ、裏に書かれたの惹句が
「ああ、私が10人いれば、すべての療法を試してみるのに」
ですから・・・。
成功記であればどんなによかったろうと思わずにはいられませんでしたが、
思い当たる本や療法もあれば
こんな風に評価する声もあるのかというところもあり、
複雑な気持ちで読みました。

人生の旅をゆく Book 人生の旅をゆく

著者:よしもと ばなな
販売元:日本放送出版協会
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もう一冊はこちらのエッセイです。
(アマゾンアフィリには単行本のリンクしかなかったのですが、
幻冬舎から文庫が出ています。)
よしもとさんの作品は全く未読で、
それは私が小説読みではないからなのですが、
作家さんというのはやはりすごい才能なのだなあ、と
別意味、目から鱗が落ちた思いでした。
ご本人は「エッセイが苦手」
「うまくなることはなさそうだ」
「でも思ってもいないことはひとつも書いていない、
それ以外にこの下手なエッセイを誇れるところはない」
と書かれていましたが、
本当に感じたところを見事に言葉に閉じ込めて
あるいはぴったりな言葉を的確に選びぬいて、
景色や感覚や感じている気持ちを
読んだ誰でもが、ああこの感じだ、と
鮮やかに追体験できる素晴らしいエッセイでした。
私はほぼ同世代にあたるので、
日本がまだまるで平和で安全で
今よりもずっと人の気持ちに余裕のあった時代を
思い出すことができるのですが、
彼女がずっと生きてきたどの瞬間においても
気持ちを擦り切れさせることなく、
今なおクリアな「目」や「感覚」を保って
鮮やかに生き、語ることができるのは
本当に稀有なことだと思います。
旅の話も日常の話もうなずけるところが多く、
厳しい状況を語るところでも
暖かいしっかりとした何かが通っているのを感じます。
この人はまさに今を生きているのだな、と思える本でした。
これまでずっと読まずにきた小説も
読んでみたくなりました。

毎日間違いを繰り返して生きている気がしますが、
その日その日がおそらくはかけがえのない瞬間であるはずです。
苦労したことほど時間がよい思い出に変えてしまうこと、
旅で出会ったトラブルや味覚、肌に触れる空気の感覚の記憶までが
「人生を何倍にもしてしまう」ことを
しみじみと思い出しました。
小さいことでも
その日その日にしっかり宝ものを拾って
笑って過ごせたらいいな、と思えました。

やはり作家さんって凄いです・・・(こればっかり)。

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