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2008年8月 4日 (月)

百万円と苦虫女

予告編のむしろ(自分を)探したくないんです、という台詞が新鮮で
見てみようかな~と思ったこの作品、
どう展開するのかなと思ったのですが、
いろんな意味で予想を裏切られた作品でした。
ネタばれについては最後のみ白文字にしてありますが
(筋を書くと隠しようがないのでそのまま最後まで突っ走りました)、
未見の方はご注意ください。

イントロに度肝を抜かれ(ちょっとオーバーかも)、
そうなるまでのいきさつにくらくらと眩暈を覚え
(犯罪者はどっちだ・・・と思うような話によく当たるこの頃ですTT)、
しっかり言うことは言わないと駄目でしょう~
弁護士でもなんでもつけなさい~~(無理?)!!
・・・と、すでに若者ではない私は
心の中で激怒しながら見ていたのですが、
この無職フリーターの鈴子ちゃんは
実は芯が結構強く、
ケンカや嫌がらせには負けない度胸根性はあるのでした。
お姉ちゃん(がすること)のおかげで僕は迷惑だ、と
しれっと言ってのける秀才の弟も
実はお姉ちゃんを慕っているところがあり、
子供らしい言動とのギャップに
きょうだいってこんなものなのかなと
ほっとしたり意外に感じたりしました。
無実の罪で前科者にされてしまった鈴子は
百万円を貯めて家を出て、
どこか知らない街でアルバイトをしてまた百万円を貯め、
次のどこかに移動・・・という「旅」をはじめます。
それは自分探しではなかったかもしれませんが、
誰かと直に触れ合って
自分に足りないものを学ぶ旅、でありました。
旅の本質はそんなものだと思うのですが、
一番鍵になるのが、
旅先から手紙をちょうだい、と言った弟とのつながりだったというのが
意外であり、ツボをつかれたところでした。
各地を転々として、
結構個性豊かなバイト先や村の人たちにもまれつつも、
適当に相槌を打って
苦虫を噛み潰したような笑顔を作って
その場を過ごす、という
切り抜け方をして済ませてしまう鈴子だったのですが、
3箇所目で恋をして、
彼女と同じように無口で優しい彼とあることで行き違い、
きちんと誤解を解くこともなく別れようとします。
そこに届いた弟からの手紙で、
これまで弟が学校でひどい嫌がらせに遭っていたこと、
ふとしたことから相手に怪我をさせてしまったこと、
いじめ相手から逃げるためにほかの学校に行くのはやめて
お姉ちゃんのように逃げないことに決めたこと・・・を知り、
自分がそんなに強くはないこと、
思ったことをはっきりと人に言わないほうがいい、というのは
間違っていた、と気づきます。
次の土地でお姉ちゃんは今度こそやり直します、と書いた手紙を投函して
町を出ようとするのですが、
心のどこかで彼を待っている鈴子、
誤解を解かなくては、とようやく思い至り
追いかける彼。
ラストシーンはいわゆるハッピーエンドではありませんでしたが、
これはこれでいいのかな、という気にさせられる
のほほん感が混じっていたように思います。
これで無事結ばれてめでたしめでたし、では
かえってなにかが足りないような気がしたのでした。
まだまだ旅はスタート地点を出たばかり(多分)、がんばれ鈴子。
彼とはいつかまた遭う日が来るかもしれませんし。


全体にのんびりした雰囲気にビターなテイストが混じり、
細かい笑いどころもありまして
涙あり笑いありで楽しく見られた一本でした(^^)。
ぐんぐん成長してたくましくなってちょうだいね、と
すでに若くはない私はがんがんエールを送っていたのですが、
若者が見るとずいぶん共感するところが
あるのではと思います。
今はこんなことを書いていますが、
20代の時分の一人旅では
いろんな人に会ったり親切にしていただいたりしましたが、
やはりとまどっていたような気がします。
(彼女ほどの度胸もなかったですし。)
懐かしいような、ちょっと心のどこかが切なくなるような、
そういう気持ちも味わえた一本でした。

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