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2008年7月 6日 (日)

幻影師アイゼンハイム

上映期間が短そうだったので、
幻影師アイゼンハイムを優先して観てきたのですが、
西の魔女と上映終了日は同じでした(^^;)時間帯は違いますけど
それはとにかくとしまして、
珍しく満席に近い状態の大盛況でちょっと驚きました。
原題は“The Illusionist”で、
古めかしく聞こえる邦題にしたのは
時代ものらしく聞こえるようにしたのでしょうか。
イリュージョンと言ってしまうと、
つい現代風の大掛かりなものを連想してしまいますし。
時代は先の『プレステージ』を思わせるものがあり、
やや陰鬱で不安を感じさせる雰囲気がありましたが、
こちらの「手品」は、
ある意味プレステージのトンデモよりもさらに上、でした。
これは芸術だわ~なんてキレイ、というところから、
ありえないでしょう~まで、実に見事なものでしたが、
映画だからできること、の映像を
逆にゆったりと楽しみことができました。
(ネタがどうこう、と突っ込んでは興ざめでしょう。皇太子のように。
以下一部を白文字にします。


お話は幻影師のアイゼンハイムと
皇太子に親しい(というより使われているといった風情の
ポール・ジアマッティ演じる人間くさい警視、
アイゼンハイムの幼なじみで両思いだけど身分違いの令嬢ソフィと
彼女の婚約者にして問題大ありの皇太子の
4者間で進んでいくわけですが、
ドラマとしては割に淡白で、薄い印象でした。
家から逃げ出したい、一緒に逃げて欲しいと
アイゼンハイム(当時は名前が違っていました)に訴える
若きソフィにしても
ほとんど説明がなかったので何故?と思いつつ
想像に頼るしかなく、
アイゼンハイムと警視の絡みを除いては
あまり突っ込まれることもなく、
物語の筋が淡々と運ばれていきます。
基本はアイゼンハイムとソフィのラブストーリーなので、
それに絡めながら、
最終的に大きな謎がとけていく、という趣向になっています。
イリュージョンそのものはそのお膳立ての華でしかなく、
自由自在に駆使されるマジックの芸術を
映像でいかんなく楽しませてくれるという意味で
映画の大きな見所であるように思いました。
それにしても、
幻影師は万能にして無敵、でした。
結局君主制を倒してしまった・・・のかどうかわかりませんでしたが、
皇太子に勝ってしまったのですから。
最後にそこまでやっていいのかと思うほど
己の良心に従ってしまった警視がいささか気の毒でしたが、
「ロミオとジュリエットの成功版」と前もって聞いていても、
彼と一緒に快哉を叫びたくなる鮮やかなラストでした。
ほんとに、争う相手を間違えたのはどちらだったのか。

イリュージョニスト恐るべし。
穏やかな哀しそうな顔をして
すべてはトリック、だったんですね;;。
そう考えるとあの皇太子も少しは気の毒かも。(←自業自得です。)

ということで、
筋の面白さでさらっと観てしまえる映画でしたので、
俳優さんたちの印象が余り濃くないのですが、
こんなに地味派手といいますか、
品のいい手品師(奇術師?)もいるんだな~と思うくらい、
奇をてらわず美的センス溢れるショウを静かに魅せる男を
抑えた演技で見せてくれたエドワード・ノートン、
それに、唯一表情がとても豊かだった
ポール・ジアマッティが印象に残ったでしょうか。
ありえないような奇術が違和感なく見られたのは
当時の雰囲気たっぷりに演出された映像と
ノートンの演技があってのことかと思います。
『プレステージ』の熱すぎる仕事中毒の二人の奇術師を思うと、
あまりにも違う役柄でありました。


途中でなんとなくトリックはわかってしまいますが、
最後のすっきり感と盛り上がりは
ここまで観ていてよかったと思えましたので、
すっきりして劇場をあとにしたい方にはよいかも。
アイゼンハイムの奇術(じゃなくて幻影ですか)ショウも
映画だからできたものだとしても
見る価値があるかと私は思いました。
奇術のタネを気にせずに
ただ美しいショウを楽しんで観ることをおすすめしたいと思います(^^)。

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