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2008年6月30日 (月)

JUNO/ジュノ

なかなか感想が書けないまま
なんとなく行き詰ってしまっておりましたが、
そろそろ書かないと薄れてしまいそうなので(^^;)。
“リトル・ミス・サンシャイン”を思わせる風変わりさも感じられましたが、
もっとシンプルで素直な筋立てで、
強烈なユーモアやオタク系と見紛う様々なトークネタの厚さに
うっかり紛れてしまいそうでしたが、
まことに愛すべき女の子と彼女の周囲の人たちとの
素敵なストーリーでした。
エレン・ペイジ演じるジュノを取り巻く人々の造形も含め、
あったかくてよいお話でした(^^)。

ジュノはちょっと風変わりな高校生、といいますか、
かなり個性的な16才。
頭が良くて知識が豊富
(ややカルト的だったり古典的だったりいろいろと)、
ハイパーで行動力があり
ユーモアのセンスが飛びぬけ(すぎ)ていて
さらにストレートすぎるので
周囲の常人に理解されがたいところがあるけれど、
若者らしくまっすぐで正直で、
大人より大人らしい分別を実はしっかり根っこに持っている、
自分のことは自分で決めて行動できる強い意志の持ち主
・・・と書いていくと、大絶賛になってしまうのですが、
こんな友達がいるとさぞ退屈しそうになく
裏切られることもなさそうな女の子。
しょっぱなからの若者トークで一瞬煙に巻かれますが、
煙が晴れてみると、
突き抜けているけれど落ち着いた本質が見えてきます。
その彼女が大親友の男の子と一度だけ寝てみたら
妊娠してしまって、さあどうする、というお話なのですが、
これだけ賢いのになんで避妊をしなかったのかしら。
(見終わってからも残っていた「?」マークの正体はこれでした。)
そうならないとお話が続かないし
若者なのですからよいのでしょう(本当にいいのか;;)。
さて、妊娠がわかってどうしたかなのですが、
その足取りがなんとも頼もしいのです。
最初は堕胎も考えるけれど、
同級生に赤ちゃんにはもう爪が生えているの!と訴えられ、
あっさり中止。
予告で見たこのあっさり感が良くて、
「絶対見よう」のリストに入れたのですが、
見るほどに面白い子だな~からいい子だな~に変わり、
気が付くと応援していまして、
皆にやいやい言われて、
本当にたった一回だけなんですけど・・・と
彼女の代わりに言い訳をしたくなりました。
そして彼女をとりまく人々ですが、
こんな両親に育てられたら真っ直ぐ育つな~と思える人たちでした。
父親もよいのですが、
父親の再婚相手のジュノ言うところの「継母」が
たいへんよかったです。
娘が謝らなければならないことがある、と両親に打ち明け、
両親が、一体どんなとんでもないことをしたんだ、
ドラッグか、事故か、それともこんなことか?といろいろ並べたあと、
ええ、妊娠?と絶句(・・・したのは意外だったからでしょうか)。
自分で里親は見つけてきたと話すジュノに
てきぱきこれからの手順を示す継母に
内心うろたえながらも
きっぱり娘を一人前の人間として扱う父親。
ジュノ本人の資質もありますが、
いい家庭だなあとしみじみ思いました。
オトナの信頼関係を築いているのは友人も同じで、
彼女の親友も口は悪いけど頼りになる誠実な女の子。
ちゃんとした大人で完璧な夫婦、と
ジュノが信じた養子縁組先のカップルや、
ただ寝ただけだからと
割り切っているつもりだった男の子との関係も、
月が経過するにつれ意外な面が見えてきて、
無事に子供が生まれるまでに
ジュノは一番大勝負を迫られます。
(社会人だからといってオトナであるとは限らず、
「私のオトナ度を越えてる」と言ったジュノの方が
本当はずっと大人だったのがトホホでした;;。)
ということで、お話にまるで深刻さはなく、
学校内でのジュノを見る目も、驚くほどあっけらかんとしています。
妊娠はただのきっかけのようなもので、
生まれてくる命や係わり合いのある人たちに対し
ジュノがいかに対面し、事態を切り抜けていって、何を得たか。
それを一緒に感じる日記のような映画でした。

なので、
やはりジュノを演じたエレン・ペイジに尽きるところがありますが、
ジュノ役は一つ間違うと
ただの生意気な変わり者の女の子、に
なってしまったかもしれない難しい役でしたが(台詞が凄い・・・)、
嫌味がかけらも感じられない
少女の透明さをたたえた愛らしいキャラクターでした。
やはり今後も注目株です。
キリアンとの共演が大変楽しみです(^^)。

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