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2008年3月 9日 (日)

『ペルセポリス』 感想ほか。

今日の午後は久しぶりに隣県に住む友人と落ち合い、
おしゃべりしたりうろうろしたりしてきました(^^)。
夕方までの数時間をどう過ごそうかな~と考えまして、
アニメの好きなひとなので
ちょうど公開中の『ペルセポリス』はどうかなと思っていたのですが
「永遠のベルサイユのばら展」なるチラシが目に入りまして、
結局両方見てきました。
聞いてみると、友人は初版の単行本を持っている
半端じゃないベルばらファンだったので
ちょうどよかったです。いやはやラッキーでした。
(今日は池田理代子先生のサイン会もあったそうなのですが、
さすがにこちらは時間の都合で無理でした。)

なので、早足でまずは映画館へ。
(『ペルセポリス』の公式HPはこちら。)
イラン出身でパリ在住の
マルジャン・サトラピの半自伝的グラフィック・ノベルを
彼女が自ら監督・脚本で映画化した長編アニメです。
おそらくイランの上流階級に属する社会で自由に育った彼女が
イラン革命、イラン・イラク戦争と続く激動期を
実際に目にした事実(史実)と
彼女の成長とをあわせて語られた作品だったのですが、
実体験に基づいているだけに、
シンプルなアニメの絵柄にも関わらず
(動きは非常にスムーズで展開もテンポがよく、
全く飽きることはありませんでした)
なんどもぞっとするほどリアリティがありました。
逆にいうと、これを本国で実写で撮るのはおそらく無理でしょうし、
ハリウッドで実写で撮っても、
一つの物語として消費されるものにしかならなかったかも、と思えるものでした。
革命前の独裁が酷かったことや、
イラン・イラク戦争で無益な血が沢山流されたことなどを
話には聞いていても、
この映画のリアリティにはかなわないように思いました。
また、語り口がそっけないといいますか、
本当に淡々と、ほぼ時系列に並べていって
感傷的な演出をほとんどしていないところも
かえってよい効果を生んでいるように思いました。
見ながら何度もぞっとしましたが、
それでも批判精神や自由な考えを失うことなく、
映画に登場する女学生たちも無邪気で
理不尽な拘束の多い中でも人生を楽しんでいるのに
救われる思いがしました。人間はかくも逞しいのです。
主人公の彼女は、あまりにあやうい言動を心配した両親に
ウィーンに留学させられたものの、
壁にぶつかって帰国し、発奮して結婚、また離婚し、
その後に自分の意思でフランスに渡るのですが、
そこまででも十分に濃い、激動の人生なのでした。
気持ちの上では主人公の母に思い入れてしまいましたが、
終始「正しい」、ユーモアも素敵なおばあちゃんが
とにかくカッコよかったです。
お説教は嫌いだけど、一つだけ、と
旅立つ孫娘に語る言葉はその後も常に一貫しています。
自分に公明正大でいること。
「この先おまえはたくさんのバカに出会うだろう。
そいつらに傷つけられたら、自分にこう言うんだ。
こんなことをするのは愚かな奴だからって。
そうすれば仕返しなんかしないですむ。
恨みや復讐ほど最悪なことはないんだから…
いつも毅然として、自分に公明正大でいるんだよ。」
最後の最後まで、このおばあちゃんはカッコよかったです。
美容法もすごかった・・・。

想像以上に重かった作品を見終わってから一休みして、
今度はベルばら展に向かいました。
私自身ははまるまでに至らなかったので、
発表順に展示してある原画数十枚(数は失念しました)を
しっかり読むほうに忙しかったのですが、
1972年から73年にかけての連載だったと聞き、
せいぜい2年の期間の連載でしかなかったのかということに
驚嘆する思いがしました。
週刊誌の連載で多忙を極めたと思われるのですが、
原稿のキレイなこと。
線に迷いがない、と友人が言いましたが、
画力も歴史の知識をベースにした物語の構成も
実にしっかりしていて、
迷いなく週間ペースで突っ走っていかれていたのだと思われ、
う~ん、やはりすごい、と感心したのでした。
私も思い切り少女マンガで育った世代ですが、
当時のマンガはほんとうに薀蓄や含蓄に満ちていたよね~と
友人とうなずきあったのは言うまでもありません。


考えてみると、古い親しい友人と会うのは久しぶりで、
ほんの半日でしたが、2日を過ごすほどの濃さに感じ、
久しぶりに自分の言葉でしゃべったような気がしました。
誕生日のプレゼントに、と
岩合さんの猫写真集もことづけていただき、
本当にありがたいな~と思えた、嬉しい一日でした。
これで明日からはまたひとがんばりできそうです(^^)。

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