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2008年3月 8日 (土)

ONCE ダブリンの街角で

ふと気づくと、上映があと1週間になっているのに気がつき、
今日しか行くときがない!とあわてて出かけてきました。
(ほんとにあわてずに出られないんだか私(_ _;;)。)
少し大目に時間を見積もる癖があるんですが、
ぎりぎりだと思って飛び込んだらまだ余裕がありまして、
・・・なんとなく恥ずかしかったです・・・TT。
(それでもパンフはゲットしてきましたが。)
こちらでは4月26日公開の『アイム・ノット・ゼア』の予告編もかかりまして、
嬉しかったです(^^)。
主演俳優が多いだけにそれぞれ一瞬しか映りませんでしたけど、
やはり楽しみです。公開が決まってくれてよかった~。
しかし、まだ『エリザベス・・・』も見にいけていませんし、
来週には『魔法にかけられて』も始まりますし
ライラももう一度見るつもりですので
なんとか見に行きたいと思います。(←前売りがあるもので;;。)
以下、今日の映画の感想ですが、
わりに淡々とした作品でしたので、
特に白文字などにはしておりませんので
これから映画を見られる方はご注意くださいm(_ _)m。


さて、見終わって気がついたことは、
主人公二名に名前がなかったことでした。
(耳に入ったのは、バンドの若い兄ちゃんとスタジオの人の名前くらい。)
いえ、大事なのはそのことではなくて。
これは「出会いのひととき」の物語だったんだなと思いました。
二人が通りで音楽を通じて出会い、
ともに音楽を作ることで理解を深めまたは好意を持ち、
やがてそれぞれの道を歩み始めていく、というお話で、
広義でラブストーリーともいえるかなと思いましたが、
普通のラブストーリーの感覚とはやや違いました。
監督によると、
「恋人はいるんだけど、女の子と浮気をしたりするんじゃなくて、
本物のロマンスが生まれる(略)音楽というロマンスが。
恋人を裏切ることなしに、
ほかの相手とロマンスが持てるシナリオを考えていた」のだそうで、
それもわからないではないけれど、
お互いの本当の相手にそれを見出せるのがベストのような気もしました;;。
(難しいですけどね。)
出会いによって、二人がそれぞれ次のステップに進み、
人生を歩いてゆくというのもいい話なのだろうなと思いました。
全体に歌が流れるシーンが実に多く、
音楽作りに魅せられたミュージシャンの目や
生活の感覚を追体験しているようで、楽しかったです。
音楽かまたはほかのナニカにはまったことのある人なら
なおさら楽しめるのではと思います。
本当の意味での音楽映画といえるかもしれません。
また若者同士の恋物語、ではなく、
独りになった父の手伝いをしながら
バスキング(通りで歌ったり演奏したりすること)をしている彼と
チェコからの移民で家族を養いながら
なんとか暮らしている一児の母の彼女のお話で、
足が地に着いた、アイルランドらしい映画のように思いました。
ダブリンの生活者の目で見た映像だったのも
私としては好印象でした。

目を見開いて困ったような表情が印象的だった「彼」は
本物のミュージシャンのグレン・ハンザード。
アイリッシュ・ロックグループ「ザ・フレイムス」の中心メンバーだそうです。
若いのに苦労人の「彼女」は
チェコ在住のマルケタ・イルグロヴァ。
彼女も本物のシンガーソングライターです。
グレンの役は最初はキリアン・マーフィがキャスティングされていたそうで、
もしそのまま撮られていれば
随分印象の違う作品になっていたと思います。
(どちらがよい、というのではなく
全く違う映画になっていたような気がします。)
ほかに印象に残ったのは、
スタジオを借りる資金作りに訪れた銀行の融資課で
録音したテープを流して
絶対に売れるはずだ、と断言する「彼女」に
これを見ろ(←台詞はうろ覚えです)、といった銀行職員で、
なにをするのかと思ったら、
ご自分も熱く歌い始めて自慢の喉を聞かせ、
ぽんと融資の書類に印をついたのが、なんとも素敵でした。
「彼」ができあがったデモテープを父親に聞かせ、
感想を聞くと、
終始渋い顔をしていた父親が(元々無口でシャイなのではないかと思われますが)
破顔一笑で
「すばらしい、間違いなくヒットする。」と激賞し、
独りになった父親が心配という息子を後押しし、
明日出発するという息子に
おお、やるじゃないか(またもうろ覚えです)と返す父もまた
とても素敵でした。
気持ちの上でもビジネスの上でも「彼」に道を開いてくれた「彼女」は
天使みたいな存在だったなあと思ったわけですが、
彼女にしてみても彼との出会いは幸せなものだったのでしょう。

アイルランドは国民皆が踊って歌えるDNAを持っていると
私は信じているのですが、
一度ダブリンとゴールウェイを訪れたときに
なにに驚いたかというと、
道ばたで歌っていたり演奏している人の多さとその腕前、
およびジャンルと楽器のバラエティの多さに。
もう一つは素晴らしきパブ文化で、
ゴールウェイには人口の割合からして多すぎるパブがあるにもかかわらず、
全住民がパブに来ているのではないかと思うくらい(そんなバカな;)、
店という店に沢山の人が来ていることでした。
人気店では、まだ早い時間から
店に入りきらない人が外にジョッキを持って出て
話し込んでいたりするのです。
その込み具合というのも「席が空いてない」のではなく、
「立つ空間が残されていないすし詰め状態」だったりするわけで、
あれは忘れられません。

美しい絵ではなく、普段着のダブリンを見せてくれる
小品ならではのよさのある映画だったように思います。

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