« 落ち込むこともあるけれど。 | トップページ | ギリアム作品その後。 »

2008年1月27日 (日)

テラビシアにかける橋

号泣もののファンタジー、と聞いていましたが、
ファンタジーの部分を極力押さえた、
地味だけどしっかりしたよい作品でした。
最初に画像を見た部分が一番(唯一?)「戦った」部分だったので
ちょっとひいていたのですが(_ _;)、
空想の世界に逃げるお話、ではなく、
むしろ現実に生きる子供たちをしっかりと描いた映画でした。
大人から見ると筋が読めてしまうので、
さすがに号泣はしませんでしたけど、泣きました。(←いつものことです;;。)

(公開まもないので、以下一部白文字にします。)


主役の一人のアナソフィア・ロブはとにかく可愛かった!です。
変わり者でもなんでも、
こんな転校生が来てなぜ人気者にならないんだ?と
筋違いのところで一瞬考えてしまいました(^^;)。
もう一人の主役ジョシュ・ハッチャーソンは、
『ザスーラ』のお兄ちゃん役をやった子だそうですが、
大変良かったと思います。
といいますか、この物語のメインは彼の成長、でした。
それに、意外な伏兵で可愛いんだか曲者なんだかの
ジョシュの妹役の子が光っていました。
(なんとなく映画ナルニアのルーシーを思い出しました。)
ジョシュ演じるジェスは
5人兄弟のただ一人の男の子で
家計が苦しいからと(本当に大変そうでした)お姉さんのおさがりを使わされたり、
両親は自分にだけ厳しくあたるように思われ、
学校では理不尽ないじめに遭い、
スケッチブックに空想の絵を描くことだけがなぐさめ、という
かなり殻に閉じこもってしまった子。
(でも家での労働はきちんとこなし、妹の面倒もみるしっかり者。)
やがて隣に越してきた女の子レスリーと知り合って
活発で想像力豊かな彼女と意気投合し、
いじめにもひるまずまっすぐな彼女と過ごすうちに、
架空の世界の冒険でのみならず
現実でも勇気を持って行動するうちに
だんだん笑顔を取り戻し、自信ももてるようになっていきます。

その後「事件」の起こったあたりから、
ずっとこわばった表情の彼を見ながら、
君のせいじゃないんだよ・・・とずっと心の中でつぶやいていました。
お父さんに抱きしめられたところではじめて彼が涙を流したところは、
ほんとに胸が苦しかったです。
こういうときはどうしても
周りの人間がつらい思いをしてしまうのです。
必ず残った人間が自分を責めてしまいますから。
この間の彼にしっかり泣かされてしまいましたです。
たぶん、こんなふうに展開するんだろうな~と思ってみていたのですが、
ラストの彼はより強く優しく、大人になっていまして、
元々の性質が一足飛びに成長した感があり、
再び目が潤んでしまいました。


この小学校ではかなり理不尽ないじめが横行しているのですが、
いじめられても逃げないのはこの二人だけでなく、
小さな子供たちもちゃんと権利を主張する場面などあり、
子供たちがなんとも結構賢いのです。
いじめのボスの女子上級生にいじめられていたのに
あるきっかけで和解するくだりなど、
いじめっ子もただのステロタイプとして終わらせず
(あとで出てくる巨人にびっくりしました)
ちょっと嬉しい驚きを感じました。
私は気が短いもので、
いじめっ子が出てくるお話がそもそも苦手で
(なのでハリポタの1巻は途中で挫折しました)、
ステロタイプのいじめっ子とかいじめ大人とかも勘弁してほしい軟弱者なのですが、
その点この作品は花マルでした。
痛みを知っている子供、
色々つらいことがあっても賢く生き抜いていこうとする子供、
過剰に子供に干渉せず、感情を振り回すこともしない大人らしい大人、
貧乏で子供に十分にしてやれないけれど懸命に生きている大人。
全体に饒舌ではなく淡々としていますが、
ていねいに心の機微が描かれていて
じんわりと心に沁みました。
これは原作を読んでもいいかな?

撮影はNZのオークランドで大半が行われ、
森や農場はオークランド北西の場所が選ばれたそうです。
しばしNZの森の空気に浸れたのも幸せでした。
そして、王国や王国民の映像はWETAデジタルの仕事です。
ファンタジー部分を楽しく演出してくれていました。
ちなみにパンフレットによりますと、
「テラビシア」の名前はナルニアのテレビンシア島から
レスリーがつけたものだそうです。

もうひとつ思い切り蛇足ですが、ジョシュの誕生日はヒューと同じでした。
二周りほど違いますが・・・。

|

« 落ち込むこともあるけれど。 | トップページ | ギリアム作品その後。 »

映画感想」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 落ち込むこともあるけれど。 | トップページ | ギリアム作品その後。 »