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2007年11月 4日 (日)

シッコ

夕方からの回を見に映画館に行ったところ、
『タロットカード殺人事件』のポスターが張ってありました。
やっと公開日が決まったのだな、ということは。
1500円でしたが、すかさず前売券をゲットしました。
ポスターと同じ絵柄の大きめポストカードもいただきました。
さあ、これで安心だ。(←何が;;)

ようやく『シッコ』を観たのですが、
物語ではないので、そのまま内容を書いています。
自分で劇場で見て驚きたいという方はご注意ください。





小さい映画館にしては結構混んでいまして、
年齢層が高い(おじいちゃんもいました)上、
中年層のご夫婦連れが多いのにちょっと驚きました。
マイケル・ムーアは年配層に人気があるのか、
内容的に響くものがあったのか謎ですが。
ドキュメンタリーで2時間以上というのは長いなあと思ったのですが、
退屈することなく見られました。
こんなケースがあるが、じゃあこちらではどうだろう、という
連想ゲームのような展開で
結果世界のあちこちに取材にでかけ
(最後がキューバだとは思わなかったですが、
キューバがまだ
仮想敵国として国民に叩き込まれていることにもびっくり)、
おしまいにいい具合に締めていました。
これまでの作品に比べると穏やかな印象で、
静かでユーモア混じりですらありましたが、
事実を知らせ、啓発する力に満ちていたように思います。
この映画が少しでも異常な事態を変える助けになれば
どんなにいいかと思います。
(アメリカに行くときは
なにがあっても旅行保険を切らしてはいけないと肝に命じました;;。)
アメリカの医療制度については
ずいぶん前に触れたことのある高尾慶子さんの本の中で
税金が高いけど医療費のかからないイギリスと比べて
いろいろ書いてあったのを読んだくらいでしたが、
「保険に入っていなければ治療も受けられず死ぬ」とか
「お金がないと救急車も途中で放り出していく」など。
話半分に眺めていたのですが、
どうもそれどころではないようです。

公的な保険制度がなく、民間保険のみがあるらしい米国ですが、
そもそも審査が厳しくて保険へ加入すること自体が難しい(らしい)。
入れても審査ではねられてお金が下りず治療を断られる。
(そんな治療は必要ないと言い切られて(!)保険金がおりない。
それにしても治療代が高すぎる。)
審査のレベルが半端じゃない。ほとんど詐欺。
 払わないんなら、保険料を全額返しなさいよ。
・・・この時点でちょっと怒りモードに入りまして
(皆が保険などかけずに会社を潰してしまえと思ったりですね;;)、
とても人事とは思えないことが多々あり、
事実明日はわが身かも、とか
(保険制度がまた改悪されるとか)
日本ではこんなこともあるよな、とか
(製薬会社との癒着とか薬漬け医療とか)
直接映画の内容と関係ないところまで思いが至り、
そのほか激怒しそうでとても書けないことまで
(民営化=営利化の本質を故意に偽る政治家と考えない有権者とか)
いろいろ考えてしまって
頭の中がごちゃごちゃとしてしまいました。
なので、あまり冷静に感想を述べられそうにありません。
(↑いつものことですが(_ _;)。
アメリカでは
全ての国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む」権利を
約束されていないのでしょうか。
アメリカから「貰った」日本の憲法には書いてありますが。)
しかし、基本的に考えてアメリカ人そのものは
素朴で親切で人情がある、ということは
それほど的が外れていないはず。
(今日びの日本の方がどうかするとよっぽど怖い。)
だとすると、
お金の払えない大怪我の病人を病院から追い出して
ホームレスの施設の前に捨てて逃げたり、
祭り上げるだけ祭り上げて利用した9.11の英雄さえ
喧騒が過ぎたあとは医療ケアを受けさせる配慮すらしないという
非情がまかりとおるというのは、
一体どういうことなのでしょう。
問題定義と類例は
映画の中で丁寧に積み上げてあるわけで、
浮かび上がってくる「答え」は映画で見ていただきたいのですが、
医は「仁術」ではなく「金儲け」なのがアメリカの医療のようです。
それも、いかに患者に必要な医療を必要でないと偽って
お金を節約して患者を見殺しにするかで昇進が決まるのなら、
良心のある医者なら医者をやってるのが嫌になるでしょう。
というか、そうなるとすでに医者とは呼べませんよね。
骨髄移植のドナーが見つかったのに
保険会社から「治療の必要性なし」と通告され、
まもなく亡くなった方のケースなど、殺したも同然です。
それに対して、カナダやイギリス、フランスなどでは
医療は無料で受けられるわけで、
アメリカでは一般に知られていないのかな?という疑問が浮かんだのですが
(日本にいると耳に入ってきますから)、
それ以前に、某夫人が国民皆保険を唱えた際に
「医療関連団体」がそれを「社会主義的」と「ののしり」、
自由の危機、医療サービスを「まともに受けられなくなる」危機、と
声を揃えて反対のキャンペーンを張ったというのに
言葉を失いました。
(結局献金で丸め込んだというのもあまりにもお約束で。)
ええと、いつの時代の話ですか。
イデオロギーではなくすでに人道の問題でしょう。レベル低すぎ。
・・・やはり啓発活動は必要なんだなと思いました。
映画の中での大げさな演出にすぎないのなら本当にいいんですけど。

最後のオチが、
反ムーアの先鋒を行くサイト主が
妻が病気になったため医療費がかかり、
サイトが維持できなくなったから閉鎖する、というメッセージを出していたというお話で、
医療費が払えないから
そのためにサイトが運営できなくなるという事態はおかしいと考えるムーアは
匿名で彼に小切手を送り、
その結果彼の妻は回復し、サイトは存続しているとのことでした。
なんと申しますか。
・・・どっとはらい。


いろいろ書きましたが、一見の価値はもちろんあります。
頭の中がまとまるまで、しばらく時間がかかりそうです。








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