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2007年11月23日 (金)

ベオウルフ(Beowulf&Grendel)

ベオウルフ DVD ベオウルフ

販売元:エスピーオー
発売日:2007/11/02
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英文学最古の物語にして英雄叙事詩、というくくりでよいのでしょうか。
神話伝説の類は好きですが、
こちらは名前を聞いたことがあるだけで未読のままなので
見たままの感想・印象で行かせていただきますm(_ _)m。
水妖?が船乗りを水底に引きずり込もうと腕を伸ばす
神話の時代の物語です。

もとのタイトル(Beowulf&Grendel)のとおり、
結構構人間味あふれる英雄ベオウルフが、
巨人もしくは怪物?(トロル)と呼ばれ(おそらくは異民族)
兵士を襲って殺すやからとして憎まれるグレンデルを「退治」するお話でした。
まだまだ剣がものをいう古代の世界で、
暮らしはそれほど豊かではなく、
陣地(領土)に侵入してきた者はよってたかって虐殺しても当然
・・・というような、恐ろしくも荒涼とした時代なのかなと、
最初のあたりを見ていて思いました。
地中海界隈でも北上しても、
神話は理不尽な悲劇の繰り返しであることが多いように思いますが、
理不尽な環境であっても
ベオウルフがベルセリク系の理性が飛ぶ英雄ではなく
随分冷静でかつ人情味のあるタイプの英雄だったので
なんだか安心して見られました。
オチが想像できるのでつい哀しかったり切なかったりはするのですが。
主演のジェリーさんは、
淡々と渋くてカッコイイ(というほかに表現が出てこない;;)英雄を演じていました。
はっきり言いまして眼福です(^^)。
『300』の王様とは全然タイプが違って地味ですが、
長髪も時代物の服装も似合います。
この人はやはり目がいいですね。

そしてアイスランドで撮られたという風景が本当に綺麗。
切るような寒さが伝わってくるようなつんと澄んだ空気の透明感、
低い角度で入ってくる太陽の光。
青い氷河の海。
実写のすばらしさが生きていると思います。

物語の語り口はシンプルで、
なんというか神話らしい語りと構成になっていて、
ドラマを盛り上げるエンタメ感には欠けている感がありますが、
神話として英雄譚を見るにはそこそこリアリティもあり、
史実的にも当時の世界を割合正確に描写されているのかなと思われて、
いい仕事を積み上げていると思いました。
が、DVDの惹句「アクション・アドベンチャーの金字塔」というのは
ちょっとはずれているかなという気が;;。
一般の方の反応はわかりませんが、
私個人としては良かったと思います。
人殺し(トロル退治をし人を斬るのが仕事の戦士)が
カインを人殺しと呼んでもなんの罵倒にもならず、
笑い飛ばされて終わりだったりしまして、
底に流れている考え方はシンプルで健全(でもシュール;;)。
キリスト教の伝道師ブレンダン(聖ブレンダン?)がやってきて
「神々の加護を受けられなくなった」人々が
(この神々というのは北欧神話の神のことでしょう)
救いを求めてだんだん入信していくくだりが結構入ってまして、
それはそれでまた興味深く見ました。
大きな国家が出来る前のお話で(多分)、
いろんな民族の名前も出てきまして、
歴史ものとしても楽しく見ることができました。

最後あたりで水妖が陸に上がりまして
最後の大暴れ?をするわけですが、

これが一番怖かったです;;。
(ちょっと鬼の腕のお話を彷彿としまして。)
あまり説明がなく唐突感がありましたので
元のお話ではどういう位置づけなのかなとこれも気になりました。
デネの国、ってデーン、今のデンマークあたりのことなのでしょうが、
デネときくとどうしてもデネ候のお姿が頭に(爆)。
でも実際目の前に開けているのはローハンにしか見えず。
(北欧界隈がモデルになっていると考えれば当然ですが。)
出てくるお馬さんたちがちょっとずんぐりむっくりで
どの子も可愛かったです。


いろいろ気になったので、

ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語―サトクリフ・オリジナル〈7〉 (サトクリフ・オリジナル (7)) Book ベーオウルフ 妖怪と竜と英雄の物語―サトクリフ・オリジナル〈7〉 (サトクリフ・オリジナル (7))

著者:ローズマリ サトクリフ
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こちらをカートに入れてみました。
サトクリフだし、訳者が井辻朱美さんですから、
H書房でも大丈夫かな(爆)?

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コメント

DVD見ました。原作は未読ですが「アクション・アドベンチャーの金字塔」では絶対ないな、と思いつつ(笑)。
見終わったあと、哀しい気持ちになりましたが、mayさんも書かれているように、ベオウルフが冷静で人情味のある人だったのが、何というか、救いでしょうか。
デネの王様も退治して万歳って気持ちではなさそうだったのが含蓄がありました。

投稿: wata | 2007年11月25日 (日) 15時57分

やっぱりアクション、ではないですよね(^^;)。むしろ人間歴史ドラマという感じでしみじみ見てしまいました。物語として語リ次がれる中で事実はほんの一片が残るのみですが(それも語る側の都合でしばしば色合いが変えられてしまいます)、そのあたりもさりげなく描かれていてなんだか救いがありました。

投稿: may | 2007年11月25日 (日) 20時22分

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