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2007年8月 5日 (日)

夕凪の街 桜の国

夏の日差しが戻ってきたなか、やっと見に行ってまいりました。
公開から3週目に入りましたが、
ミニシアター系の映画館としては
まずまずのお客さんの入りでした。
映画のロケ地図や撮影時の写真、新聞雑誌の記事など
沢山展示してありまして、
映画鑑賞「後」にそちらも興味深く見ることができました。
といいますのも、
すぐに外に出られる顔のコンディションではなかったので・・・(恥;;)。
いや、泣きました、いえ、泣かされました。
硫黄島の時以上に。

見終わってみて思ったのは、
むしろ原作を読む前に
もしくは全く事前の先入観なしで、
映画を見て欲しいということでした。
同じ世界で当たり前に生きている人々のドラマとして。
本当に美しい映像と情感に満ちていて、
生きることやこの世界に対する愛情が
すみずみにまで満ちた映画だと思います。
できればそのあとで原作マンガも読んで欲しいと思いますが。
以下、原作を読んだ人間の感想です。

原作マンガを読んだ時点で自分でも驚くくらい号泣したので 
当然といえば当然の結果なのですが、
途中から息をするのも苦しくなりました。(←大馬鹿;;)
映画は、なんというか、本当に素晴らしかったです。
映画と原作と比べる云々の必要を全く感じないくらい、
本当にどちらも素晴らしいと心底思いました。
映画オリジナルのアレンジがいくつか入っていましたが、
自然に溶け込んで調和していました。
どのシーンも本当にきれいで、
エピソードや台詞が立っていて、
原作にある大事な台詞に見事につなげて立たせていました。
昭和の当時の情景一つ見ても、
当時の役にはまりこんだ役者さんを見ても、
台詞や表情の一つ一つが
いちいち訴えかけてきまして、
いつまでも続く原爆の被害に翻弄される運命が
悲しい、可哀そうというのではなく、
別の次元のせつなさややりきれなさや、
人のつながりの暖かさや、
色々なものにいちいち反応してしまいました;;。
後半の『桜の国』のコミカル?キャストに移り
(特に堺正章さんが素晴らしい!歩いているだけで存在感が。)
若干安心していましたらなんのことはない、
こんなエピソードもあんなエピソードも
静かにキレイに挿入されていまして、休む暇なし(TT苦しい・・・)。
最後の七波の台詞で滂沱させられた私は
映画ではどんな風に言わせるのかなと思っていましたが、
自然に、成長した七波の台詞として生きていました。
皆実を演じた麻生久美子さん、七波を演じた田中麗奈さんは
共に素晴らしかったですが、
正直どの役の方も、本当にはまっていて、良かったです。
登場人物はみんなほとんど泣くシーンがないんです。
それだけでも凄いです(違)。
麻生さんの歌が上手なのにも驚きました。

映画館に置いてあった冊子の中の原作者こうの史代さんのコメントに、
広島出身者とそうでない人との間に
感覚のずれがある、とありました。
出身者のこうのさんは「怖いと知っている」から原爆のニュースを避け、
そうでないこうのさんの夫君は
「怖さを知らない」から興味を持って見ている、とのことで、
知りたくても知るきっかけのなかった彼のような人たちに向けて
作品を創ることに決めたそうです。
私はこうのさんと同じように
原爆の現実と怖さを「叩き込まれた」側なので
ちょっとカルチャーショックでしたが、
地元のことをよく知っているのは当たり前のことです。
よその県で起きたことをよく知らないのもまた当たり前。
伝えることは難しいし、
ましてや「当事者」以外が口にするのは、という思いも
いくらかあったのではないかと思いますが、
こんなあたたかな、普遍的な物語を紡いで下さってありがとう、と
心から思います。
こんな素晴らしい映画に仕上げて下さった監督さんにもありがとう。

号泣したのは悲しかったからだけではありません。
「確かにこの二人を選んで、生まれてこようと決めたのだ。」
「生きとってくれて、ありがとうな。」 
世界は多分まだ捨てたものではありません。


必見です(^^)。

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