« NZ南島-はじめに- | トップページ | 小ネタをいくつか。 »

2007年1月19日 (金)

ヘンダーソン夫人の贈り物

仕事帰りに映画館へ。いや~席に座ると落ち着きます、嬉しいです。
・・・すっかり中毒患者になりつつあります(もうとっくにそうかも)。

『人生は、奇跡の詩』を見ようかどうしようかと散々悩みましたが、
ジュディ・デンチの大富豪未亡人を選びました。
きっとパワフルで素敵に豪快な人生を見せてくれるだろうと期待して。
それは完璧なまでに裏切られませんでした。
こんなふうに年をとってますます明るく豪胆に生きられたらどんなにいいだろうと思える
天衣無縫、豪放磊落ぶり。
そして高貴で上品で最高にチャーミング!
時々どこまで方便なのか真実を話してるのかわからなくなる;;
イギリスらしい楽しい話術掛け合いも素晴らしい。
なのに、あちらこちらでつい涙してしまったのは、
私の心が弱ってるからかしらと思いました。
(戦争色も入りますが、とても素敵なコメディなのです。)
コピーのとおり、「人生は決して色褪せない」のです。
つらいことはあるけれど逞しくユーモアを忘れず生き抜くことが出来れば。

(以下一部白文字にいたします。)
それにしても素敵なオババおばさまです。
未亡人になったのが70歳なのだけど、
これからどうしたらいいのかしら、私をおいて死ぬなんて許されないわなんて言ってる。

今からなんでもできるわ、趣味でもチャリティでもと勧める友人のオババも素敵。
なんでも片端から試してみるフットワークの軽いこと。
(70になって刺繍をはじめられる視力も凄い。)
結局つぶれかけた劇場を買い取って、ショーをかけることにします。
上流社会の貴婦人の道楽?としては前代未聞の行動でした。
英米の女性って、いくつになっても「女性」なのですが、
ちょっとフランスまで専用機と専用パイロットで飛んでいったり
(さりげなくコートをかけてくれる若いパイロットの兄ちゃんもいい感じです)、
パートナーを組んだ興行師のヴァンダム氏(ボブ・ホスキンス)に絡んでみたり、
いきなり中国人(には見えない)の扮装をして劇場に潜入したり、
白熊のぬいぐるみを着てオーディションに紛れ込んだり(大爆笑)、
もうなあんてキュートなんだろうと(^^)。

パートナーのヴァンダム氏も結構慇懃無礼でワンマンで、
なんとか未亡人に仕事に邪魔をされまいと画策するも
結構振り回されてしまうのが楽しい。
ノンストップ上演のアイデアで始めた興行が不振に陥った時、
斬新なアイデアで方向を切り替えたのが夫人でした。
真面目な政府の長官(クリストファー・ゲスト)が認めるわけはないと
弱腰のヴァンダム氏を尻目に、
長官を子供の頃から知る夫人は彼を「トミー」と呼び、
裸の女性を見せるショーを認めさせてしまうのですが、
この真面目な「坊や」(夫人から見ると)も、とっても味があっていいです。
勧められるままワインもチーズもどんどん食べちゃうし(笑)。


お話は第二次大戦にまでおよび、
戦争中も夫人の劇場だけは興行を続けます。
空襲を受けるロンドンの街を屋上から見ながら
「若い人たちが可哀想・・・」とつぶやく夫人。
おそらく心配も手伝って、戦争を甘くみていないかと夫人に問うヴァンダム氏に
きっぱりとそんなことはないと答える夫人。
彼女の息子は21才で北フランスで戦死し、
遺品?に女性の裸の写真があったとかで(^^;)、
若い兵士のためにも止めません、
止める役人はおとといおいで!と啖呵を切るスピーチもカッコ良かったです。

裸といっても「絵のように芸術的に見せるだけの静止画」なので、
本当にかなり綺麗で違和感はあまりありませんでした。

(客層は男ばかりでしたがやっぱり。
基本的に歌やミュージカル仕立てで、
かなり挿入歌が多く、それを聞いているのも楽しかったです。
この時代の歌って、聞いていると元気が出ます。
ふんわり明るいというか、つい口ずさみたくなってしまいます。
これまで何度も好きだ好きだといい続けている;;『プロデューサーズ』を
思い出すところもありました。
(ナチス侵攻のシーンは実際の古いフィルムを使っていたりして、
しんとする心持になるあたりは実話ベースの重みで違いを感じましたが。)
なんとなく被ったのはオーディションのシーンで、
その芸人を採用するんかい!と突っ込みたくなったところでは
the little wooden boy を思い出したりしまして(汗)。
少なくとも白熊はどうなのかと。(のだめのマングースみたいだし・・・。)
ヴァンダム氏の片腕(多分ゲイ)バーティーを演じたウィル・ヤング君の歌は
とても伸びやかでかなり良かったです。
看板女優モーリーンを演じるケリー・ライリーはとっても綺麗でした。
夫人がフランスまで飛んでいっていた先は息子のお墓でした。
彼女は息子と何を話していたのでしょうか。

最後に1944年に夫人が亡くなったとテロップが出て、
意外な気持ちがしました。
70歳から7年間(になるのでしょうか)なんて短すぎる気がしました。

この方は本当にその生を生き切ったのですね。
かくも鮮やかに。

こんなふうに年をとっても生きられたらいいな、と、やはり思ってしまいました。
劇場も、兵士や市民に提供し続けたショーもですが、
そんな彼女の心意気や生き様そのものが
すばらしい贈り物だったのですね。

|

« NZ南島-はじめに- | トップページ | 小ネタをいくつか。 »

映画感想」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、この作品は素晴らしかったですね実話だそうで戦時下に
決して後ろ向きにならず希望を持って兵士達を送り出そうとするヘンダ
ーソン夫人たちが感動的ですね、ラストの「踊りましょうか」とともに
悪態をつきながらも楽しそうに踊る2人が印象的でしたね

投稿: せつら | 2007年12月16日 (日) 12時13分

せつらさんこんにちは。コメントありがとうございます(^^)。
戦時下のお話ですが、明るく逞しい夫人の生き方に泣いて笑って元気をもらえた素晴らしい映画でした。おっしゃるように、夫人と支配人のまるで夫婦か恋人かのような掛け合いがとても素敵で、ベテランの「粋」といいますか、ジュディ・デンチとボブ・ホスキンスの演技が絶妙でした。
遅れてきた映画ファンの私ですが、この作品を観て以来、ジュディ・デンチの出演作品は要チェックになりました♪

投稿: may | 2007年12月16日 (日) 17時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« NZ南島-はじめに- | トップページ | 小ネタをいくつか。 »