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2006年12月 8日 (金)

キンキー・ブーツ

仕事帰りに映画館へ。
この作品は見られたら見ようかな~くらいに考えていたので、
上映時間の都合で見たのですが、
すっかり疲れがとれて、心がほぐれました。大当たり。
実話ベースだそうですが、ファンタジーそこのけのあったかさ。
地元の工場労働者がとってもよいのです。
家族のような、ご近所さんのような、
でも実は隠れたプロフェッショナルの職人というのが実に格好よくて素敵。
ユーモアもたっぷり!

イギリスの田舎にある昔ながらの工場で
一生ものの革靴が次々に出来上がっていく過程からお話に入っていきます。
主人公は靴は世界で一番美しいんだ!と
信念と愛をこめて語る工場長の父親に育てられた
チャーリー坊や、じゃなくてプライス氏。
・・・チャーリーと工場というと、
別の映画でも工場のシーンからはじまってましたね。・・・

チャーリーが父親と工場の皆から祝福されて
婚約者のいるロンドンに送り出された途端、
その父親に死なれて舞い戻り
あれよあれよと工場の社長になることになってしまう。
従業員にも役に立たない坊ちゃんのように見られ
とけこめない若社長だが
工場の内情はさばけない在庫を大量に抱え、
取引先の卸会社も倒産(多分)、
従業員を減らしでもしないとどうにもならなくなっていた。
見た目ちょっと情けない坊ちゃんは、
僕に何が出来るんだ、と繰り返して泣く泣く15人をリストラしたが、
首にした女の子に「商品を変えなさい!」とガツンと言われ、開眼
(その後彼女は再雇用)。
ピンときてから即行動に移す気概と力は持っている
地味だけど見所はある若社長で、
心の底では結構工場も靴も従業員も愛しているのである。
起死回生のアイデアは、
たまたまロンドンで関わったゲイのローラから生まれた。
路地で絡まれていた「彼女」を助けようとしてなぜか彼女に殴られたのだが、
彼女がショーに出ている店で、
「性別は男性だが女性のドレスを着る人たちの靴がない
(女性用の靴しかないので耐えられずすぐに壊れる)」
という需要に気付くのだ。ローラに靴を作らせてくれ!と頼み込むチャーリー。
(一緒に行った再雇用の彼女の反応がチャーミング。
ローラとすぐに打ち解け、親友のように仲良くなってしまう。)
ローラは靴を田舎の工場に取りに行くというが、
「そういう人種」に慣れていない田舎に来てしまったら
とんでもないことになる・・・と考え、
「僕がロンドンに届ける」とごまかすチャーリーだが、
ローラはさっさと工場にやってきてしまう。


(ネタばれという時期でもないですが、以下一応白くします。)

色は赤!ヒールは高く!というローラの意見に、
鋼鉄の芯を入れ云々・・と職人の薀蓄を傾け知恵を発揮する老マイスターや
確かにヒールを履くと女らしくなる(だったっけ)理由を理論で分析する女性職人。
ところであんた男なの?とあっさり突っ込む掃除のおばちゃん。
いわゆる男らしさを誇示するタイプでなにかとローラに嫌がらせをするマッチョの職人。
ローラ自身はドレスを着てれば聴衆の前でも歌えるのにここでは(萎縮して)挨拶もできない・・・と悩み、
チャーリーも、工場なんか売って都会で贅沢に暮らしたい婚約者のことや、
工場の先のこと、そこにとけこめない自分のことで悩む。
いざふっきって、工場の製品をこの種類のみに絞り、
ミラノの展示会に出すんだ!と宣言し(突然ここまで飛ぶのか・・・)
仕事の鬼と化すが、従業員は付いてこない。
家を担保に借金までしたことが婚約者にばれ、挙句に浮気され、
靴をデザインしコレクションの演出一切を引き受けてくれたローラに
八つ当たりして大喧嘩し、展示会は絶体絶命の危機に。
チャーリーの気持ちが従業員に伝わって(これもローラの機転のおかげ)
全員で夜通し働いて仕上げてくれた靴を履く人がいない!
追い詰められたチャーリーはまたまた捨て身の作戦に出る・・・。

彼の捨て身度(ほんとにふっきれる時の落差がすごいキャラ)がいいです。
お茶目で結構セクシー?なマイスター氏もいいし。(←おじさん好き)
みんなつい失言したり、喧嘩したり、後悔したりするんですが、
相手に対する敬意と勇気とユーモアをもって
前に進んでいく姿がとってもよかったです。
人と人との間の温度がいいなと思いました。

こんな風な職場はいいな。
安いけどすぐにだめになる靴ではなく、血の通った美しい靴を作れる工場。
(あの安物靴を扱った卸屋が倒産したのかな・・・?)
ローラは本当にチャーミングでキレイでした。
女性(人間と言い換えてもいいかも)が持ってた美点をまだ持ちえているのは、
意外とゲイの人が多いのかなと思ったりもして。


予想通り最後には姿を消したチャーリーの婚約者ですが、
いきなり相手の工場が倒産して、大嫌いな田舎に行ってろくに帰ってこないわ、
手に家を担保にするわ、我慢できなくなったのはわからなくもない。
もともと合わない相手だったので結果オーライなのでしょうが、
ちょっと気の毒な扱いだったです;;。
チャーリーにはハッピー・エンドでしたからね。
ところでコレクションの後の成果はどうだったんでしょうか。



実話ということで、
実際今も大変なのかもしれませんけど、
彼らのペースで頑張っているといいなあと思います。

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