« 収穫あれこれ。 | トップページ | 博物館見物ほか。 »

2006年12月 5日 (火)

トゥモロー・ワールド

キャナルのユナイテッドにて、レイトショーで鑑賞しました。
ネタばれ部分の見分けがつきにくいので、
漏れていたらご勘弁ください。
どうでもいいところを白くしている気もしますがあわせてご容赦を。


未来があるという希望があるから人は生きていけるのだ、といいますが、
まさに子供は未来そのもの。
子供が生まれなくなって18年が経つ人類は絶望と閉塞感に覆われ、
世界は秩序を失い、荒廃の一途を辿っていた。
「イギリスだけがまだ踏みとどまっている」と豪語するロンドンでは、
移民たちが次々に検挙され、檻に詰め込まれて強制退去させられ、
街のあちこちで起こるテロ事件は日常化していた(と思われる)。
そんな中で、自分の子供を亡くし、結果妻とも疎遠になり、

自棄になってしまっていたある男が、
この世界で奇跡的に妊娠した女の子を守り抜くというお話です。

命のバトンを渡す物語だな、と思いました。
縦糸と横糸、子供を亡くした個人と、子供を永遠に失った人類が
織り成していく物語。

まさにバトンのように、
少女を守ろうとした人たちが次の人に役割を託しては死んでゆき、

最後まではらはらしました。
移民を追い出して自分達の秩序と安全を確保したい政府。
フィッシュと呼ばれる移民による反政府組織の武力蜂起を望む勢力。
社会をはみ出して実力で生きている移民たち。
移民を人と思わず気ままに暴力を振るう警察権力。
それぞれがさまざまな思惑で暴力をふるい、人を殺め、
少女(赤ん坊)を確保しようとします。

みんな必死で、それもこれも人の性が顕れているのだと思いつつも、
ちょっと人が死にすぎ。しかもどんどんエスカレートしていきます。

赤ん坊が苦労ののちに無事に生まれたあとのくだりでは、
思わず涙が出ました。
生まれるまでの少女の様子は
映画だと思っていてもほんとうにはらはらしました・・・。


セオを演じたクライヴ・オーウェンの熱演が良かったです。
始めは乗り気でなかったのに、だんだん真摯で誠実な人間味が戻ってきて、
最後までスーパーマンになることはなくただの生身の人間だったけど、

おそらくは失くした子供への愛のために
疎遠になったあとも彼を心底信頼し、少女を彼に託した妻のために

全ての命につながる未来のために
必死で走ったセオが素敵でした。
・・・最後は滂沱。それもじんわりすーっと、泣けました。

突然起こるドオン!という爆発音や銃撃の音が凄まじく、
そのたびに飛び上がりながら見ていました;。
最初の爆発に飛び上がって、
そのまま世界に引きずり込まれた気がします。
その勢いで最後までどきどきしながら見ました。
かなり「暗い」お話ではありますが、
最後の締めは良かったです。
「人類の大事」と大上段に構えず、
ロンドン周辺だけを舞台にまとめてあったので、
壮大になりすぎず、ちょうどよかった気がします。

何の気なしに、このヒッピーのおじさん見たことあるなあ・・・と考えていて、
思い当たって、口あんぐりになりました。
マイケル・ケインだ・・・。
素敵にイカれた紳士をとても楽しそうに演じておられましたです。

「ファシストの豚」氏も、先の読めない言動がなんとも。

気になったのが随所に出てくる動物たち。
セオはやたらと動物に好かれる体質なのですが、
猫、犬のほか、鹿?とか、羊の群れ(これは家畜)とか・・・
繁栄を止めたのは人類だけだったのでしょうか。


原題は「Children of Men」・・・〈人類の子供たち〉なのですかね。
「トゥモロー」は、少女を迎えに来た船の名前でした。
あれからどこに向かったのかな。

|

« 収穫あれこれ。 | トップページ | 博物館見物ほか。 »

映画感想」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 収穫あれこれ。 | トップページ | 博物館見物ほか。 »