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2006年11月 3日 (金)

異国の丘

劇団四季の全国公演で観てまいりました。このお芝居は4年前に一度見ており、そんなに泣かずに済むかなと思ったらとんでもありませんでした。
ちょうど映画「父親たちの星条旗」を見たばかりだったので、いろいろかぶるところもありました。
戦争はある層から見れば経済活動であり、その思惑によって犠牲を強いられるのは常に市井の人々です。

とても大雑把に筋を追ってみますと、主人公は当時の総理大臣の子息である九重秀隆。日中戦争の勃発を止めようと奔走して成らず、懲罰召集で満州に徴兵され、戦後ソ連によってシベリアに抑留されスパイになることを強要されて断り、そこで命を落とすというお話です。(←悲恋の話などまったく割愛しています、すみません。)前半の展開は森川久美さんの「南京路に花吹雪」を思い出しました。
シベリアに抑留されてから、もはや生きて帰れないと覚悟した仲間の一人が、帰国の決まった仲間に家族に遺言を伝えて欲しいと頼み、仲間皆で暗記するという、もう泣くしかない場面があるのですが、ここで涙腺が崩壊しました。 以前観たときには、ただただ理不尽な死を迎える覚悟を決めたひとの切なさや辛さ、同じ境遇にあって必死に生き抜いている仲間の姿に涙がとまらなかったんですが、今回は台詞を聞いていて、切なくて、申し訳なくて、泣けてしまいました。
母への感謝と先立つ死を詫び、妻への感謝を述べ、子供たちへの言葉としてなるべく人の世話にはならず、人の世話は進んでし、立派な人間になり幸せに生きて欲しい、と述べます。(ややうろ覚えです。)
・・・彼らが誇りとし、帰ることを切に願った故郷は、思いやりや自分を律する心は、今ここにあるだろうかと。この4年の月日の重さを感じました。

そのあとはもう涙腺は壊れたままで、最後の「明日への祈り」の合唱にまた胸を詰まらせていると、周囲の人がどんどん立ち上がり、ボロボロの顔のまんまで、あわてて私も立ちました。暗いと避けられがちなテーマにもかかわらず、明確に感動を伝えられるお芝居の力はやはり素晴らしいです。しかも地元で観られる幸せ。

今度は何の演目が来てくれるのか楽しみです。

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